引退の時 2013 9 16

2013年9月11日の毎日新聞(毎日jp)には、このようなニュースがありました。

アメリカ大統領 「世界の警察官」否定

 オバマ大統領はシリア問題に関する10日のテレビ演説で、
「米国は世界の警察官ではないとの考えに同意する」と述べ、
米国の歴代政権が担ってきた世界の安全保障に責任を負う役割は担わない考えを明確にした。
(引用、以上)
 誰でも引退の時は来るのです。
それは、国レベルでも同じです。
 世界は、「アメリカの引退」を温かく見守るべきです。
アメリカは、長い間、世界の安全保障を支えてきたのです。
 世界は、アメリカの功績をたたえ、
今後、「主要国の一つ」となるアメリカを受け入れましょう。

主要国の一つ 2013 8 25
 後世の歴史家は、こう書くでしょう。
「アメリカが世界の警察官をやめたのは、オバマ政権の時だった。
それ以来、アメリカは、主要国の一つになった」
 これが意味することは、
「これからは強権国家や独裁国家の時代になる」ということです。
 世界の強権国家や独裁国家の指導者たちは、
枕を高くして眠れるということです。
もうアメリカの影に怯えて不眠症になるということはないのです。
 あれは幻だったのです。
ベルリンの壁が崩壊して、自由主義が勝ったのは。
世界は、再び、強権国家優位の時代に向かうのです。
 民主主義というものは、脆いものです。
誰かが、毎日、民主主義という花に水をくれなければ、
枯れてしまうのです。
 その役割をアメリカがやめるというならば、
世界から民主主義も自由主義も枯れる方向に行くでしょう。
 今では、誰も信じないでしょうが、
かつて、アメリカは、世界に民主主義を広めると主張していた時代があったのです。
 今のアメリカは、「そんな面倒なことに巻き込まれるのは嫌だ。
仕事を増やさないでくれ」という気分でしょう。

別人 2013 8 10
 昨年から、このサイトでは、
日本の安全保障については、
「自分の国は自分で守るという体制にすべきだ」と、
何度も書いていますが、それには理由があるのです。
 多くの日本人が思い描いているアメリカは、
「かつてのアメリカ」であって、「今のアメリカ」ではありません。
 要するに、姿形は同じでも、
中身は別人になってしまったと言った方がよいかもしれません。
 歴代のアメリカ大統領で、
「リーダーシップが弱い」と言われたカーター大統領ですら、
人権外交を主張し、人権軽視の国があれば、
強力な指導力を発揮したものでした。
 今のアメリカは、リーダーシップを嫌がる傾向があります。
わかりやすく言えば、「事なかれ主義」で、
「自分の任期中は、やっかいごとが起こらないでほしい」と祈るような気持ちでしょう。
これは、かつてアメリカにあった「孤立主義」とも違います。
 別の角度から書けば、こういうことです。
もう10年近く前に、私は、こう書きました。
アメリカは、やがて白人が少数派となる。
そして、ヒスパニック系が多数派となる日が来ると。
 もう、こうなると、アメリカは、別の国になってしまうでしょう。
「白人が持っている価値観」と「ヒスパニック系が持っている価値観」は、
やはり大きく違うのです。
 一方、アフリカ系アメリカ人、つまり日本では「黒人」と言うでしょうが、
こうした人たちは、産業界に進出するのではなく、
政治の世界、特に地方政治への進出が目立つと聞いたことがあります。
 こうした人種構成の変化が、
やはり、アメリカの政策に現れてくるのです。
 日本人が思い描いているアメリカとは、
冷戦時代にソ連と対峙したアメリカでしょう。
 アメリカは、変わってしまったのです。
そう言えば、大統領選挙の時に「Change」という言葉を何度も聞きましたが、
確かに、アメリカは変わってしまったのです。
姿形は同じでも、中身は別人になってしまったと言ってよいでしょう。
 弱腰と言われながらも、
強力に人権外交を推進したカーター政権が、
今となっては、懐かしい。
 かつてアメリカは「世界に民主主義を広める」と主張していた時代があったのです。
今のアメリカは「そんな面倒なことに巻き込まれるのは嫌だ。
仕事を増やさないでくれ」という気分でしょう。




































































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